どんなに高く飛ぶ鳥よりも想像力の羽根は高く飛ぶ

自分の"楽しみ"を書いて、自分だけが救われるんなら、それは言葉ではないんじゃないの。言葉は人のものでもあるんだから。

夕立について

 夏に友達と行なった勉強会のための資料をまとめたものです。  かなり季節外れになってしまいましたが、そんなこと言ってたら公開するのが来年になってしまいますので、公開するという運びになりました。こんなに寒くなってから「夕立」のことを思い浮かべるなんて、ある種の拷問かもしれませんが。まぁ、それはそれとして。

なんで夕立を魅力的だと思うか?調べようと思ったか?

 突然わーっと降ってくる大雨には小さい頃から気持ちを掻き立てるところがとてもある。  例えば、夏の暑い時に冷涼として雨が降るというありがたさ。突然雨が降って来て洗濯物を取り込もうと慌ててる母親とか。つまるところそれは、服が濡れちゃうよー! というワクワク感。大好き。愛おしんでいる。

発生の経緯や現象の詳細について

どのようにして起こるか?

 急に発達した積乱雲によりにわか雨を降らせ、雷、突風、雹(ひょう)などを伴うことがあるものである。

 夕立の発生は通常、午前中からの日射により地表面の空気が暖められて上昇気流を生じ、水蒸気の凝結によって積乱雲を形成して降雨をもたらすという過程を取る。上昇気流、上空と地表付近の大きな気温差、高温多湿の空気の3つの条件が揃うと、大気が不安定になり夕立の雲が発生する。

 短時間で雲が出てきて大粒の雨が降るのが特徴。青空に突然積雲が現れ、それが雄大積雲、積乱雲へと成長し雲のてっぺんの高さが高度5,000~10,000m程度に達するまでに掛かる時間は、普通は1~2時間程度、短くて数十分のときもある。雨が降り出すのは、雲の成長がピークを迎えた頃からで、冷たい強風とともに雨が降り出す。冷たい強風を伴うのは、雨が下降気流と一緒に落下してくるためで、下降気流は雨を押し下げ、雨も自身の重力によって周囲の空気を押し下げることで、下降気流は上空で次第に強まりながら地上に吹き降ろしてくる。

 この下降気流による冷たい強風は、積乱雲の下や周囲の気温を急激に下げ、夏の暑さを和らげてくれる。また、強い雨が降ると蒸発の際に地面から多くの気化熱が奪われてさらに気温が下がる。夕立が起こる前の気温が高い場合は、夕立によってその場の気温が数十分間で15℃程度下がることもある。

 一方、冷たい強風は時に激しい突風をもたらすことがある。多いのはダウンバーストで、稀に竜巻が発生することがある。

 夕立は雷を伴うことが多い。積乱雲が成長する過程で、水滴や氷晶がぶつかり合って発生する静電気が大量に蓄積されるためで、雲から最初の雨が降り出すのに前後して雷が鳴り出す。

 雹や霰が降ることもある。積乱雲は、雲自身が成長する過程で上昇気流を誘発して強める。この強い上昇気流によって、雲の中の氷晶が落下と上昇を繰り返すことで、解けてくっついて凍ってという成長のサイクルも繰り返されて氷晶が大きくなり、やがて落下する。静電気は水より氷のほうが起きやすいため、雷が激しいほど、雹が降る可能性も高い。雹が降るのは上昇気流が弱まり始めたときが多く、雹が降り出したら夕立が収まる前兆ともいえる。

 雨は強いが継続時間は短く、せいぜい2~3時間であり、範囲も狭く数キロメートル四方程度であるため、水害の規模は小さい。

 夕立が終わった後は雲も消えて晴れ間が広がり、気温も下がっているため過ごしやすくなる。但し、熱気が抜けきらないと、雨で湿度が上がり非常に蒸し暑くなることもある。虹が発生することも多い。

いつ頃起こるか?

 正午を過ぎたころから日没後数時間までに発生するものを指す。

 梅雨明け頃から秋雨が始まるころまでで、夏の晴れが多い時期に発生するものを指す。

 高温でも比較的空気が乾いた「カンカン照り」の日や風が強い日には起きにくい。湿度が高く蒸し暑い「油照り」の日の午後によく発生する。

夕立 - Wikipedia

日本以外の類似現象

 台湾の夏季には台湾語「サイパッホー(sai-pak-hō͘ )」(普通は西北雨と表記、正しいのは夕暴雨)と呼ばれる猛烈な夕立が多い。  熱帯地方のスコールも発生する時間帯は夕立と同じであるが、熱帯地方は日本の夏のような気象状況が1年中続くため、発生する時期も長い。また、熱帯地方は日本よりも対流活動が活発(大気が不安定)で水蒸気の量も多いため、雨などがより激しい。 夕立 - Wikipedia <<

以下、個人的興味や関心事

匂い

 夕立の時には地面から匂いがする時がある。原因はペトリコールとゲオスミンいう物質。

"長い間日照りが続いた後の最初の雨に伴う独特の香り"をペトリコールを定義している。特定の植物から生じた油が地面が乾燥している時に粘土質の土壌や岩石の表面に吸着し、雨によって土壌や岩石から放出されることにより独特の匂いが発生するとしている。 ペトリコール - Wikipedia

ゲオスミンは雨によって土中から大気中に拡散し、独特の雨上がりのにおいのもとになる。 藍藻や放線菌、特にストレプトマイセス属などの微生物によって産生され、それらが死んだときに放出される。 ゲオスミン - Wikipedia

言い方

 ゲリラ豪雨という言い方。どう違うのか。  『ゲリラ豪雨』はマスコミの言い方。『夕立』では災害としての危機感が出ないため。雨によって土砂崩れが予測されるような時には情緒をあえて排除してこういう言い方をする。なので、テレビやラジオやネットからの情報では、大抵は『ゲリラ豪雨』が多い。  『夕立』は夏の午後から夕方に降る局地的な雨のことを指すことが多いが、『ゲリラ豪雨』には時間の指定は特になく使える。

言い換え

「ゆだち」「驟雨(しゅうう)」「白雨(はくう)」「喜雨(きう)」。沖縄では「夏ぐれ」。  台湾語「サイパッホー(sai-pak-hō͘ )」、熱帯地方の「スコール」など。

季語として

 夏の季語。歳時記などでは「ゆだち」「驟雨(しゅうう)」「白雨(はくう)」「喜雨(きう)」などを異称とする。

機会

狭い範囲で降ることが多いので、なんでこの人はびしょ濡れなのか、という面白さ。降られた人は逆になんでこの人は降られてないんだ、という可笑しさ。ある地域でしか降らないって面白いな、と思う。

参考文献、URL:

『雨のことば辞典』倉嶋厚 原田稔編著(講談社学術文庫)装幀:蟹江征治

『風と雲のことば辞典』倉嶋厚監修 岡田憲治 原田稔 宇田川眞人著(講談社学術文庫)装幀:蟹江征治

夕立 - Wikipedia

猛暑を和らげる夕立がなぜ起こらない? - 山内正敏|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト  ──ヒートアイランド現象によって、上空の冷たい空気が暖まってしまっているのが、近年「夕立」が起こらない理由では、という考察。

「ゲリラ豪雨」と「夕立」どう違う? 気象庁に聞いてみたら…… | THE PAGE(ザ・ページ)

「ゲリラ豪雨」と「夕立」、何が違うの? 気象のプロに聞きました - withnews(ウィズニュース)