どんなに高く飛ぶ鳥よりも想像力の羽根は高く飛ぶ

自分の"楽しみ"を書いて、自分だけが救われるんなら、それは言葉ではないんじゃないの。言葉は人のものでもあるんだから。

「のぞみ」が一番速い

 なんだかんだと、没頭して生きてる。なんとか。錯覚もあるのだろうけれど、少しは人に信頼してもらえているような感じがあって、それが本当にうれしいことになっている。
 自信も少しはでてきたのか、人と親しくなれている、と思う。
 その感じが、なんだか自分には不思議なことだった。
 誰も信じていなかった、なんて、殊更にいうつもりもないけれど、ぼくが喋ることができなかったのは、おそらく、そんなことなんだろう。
 今だって、自分のことをどう思っているのか、よくわからない。仕事では散々失敗もしたし、アホなこともあったのに。社会人として変だったりもしたと思うのだけど。
 それでも、なんだか。許されている。
 できることも、できないことも、できるようになりたいことも、いつかしてみたいことも、なんだか山のようにあって、時間がとーっても足りなくて。
 考えなくていいことを考えてしまい、しなくていいことをしてしまい、しなくてはいけないことをおろそかにしてしまっている。
 頭はいつも疲れているし、身体はいつも熱い。火照った脳を冷やす術を知らず、それを手足から逃がしきれていない。
 オーバーヒートして働かないアタマ。
 会社の人には気を使い過ぎだ、と言われる。たぶん、そうなんだろう。
 社会人になって、せっかちになった。相手の返答を待っていることができなくなった。どんどん喋りたくて仕方ない。どんどん行動したくてたまらない。試してみたくて我慢できない。多くのことを学びたい。できないことをできるようになりたい。いつも時間が惜しい。自分をごまかしていたくない。自分のことを了解していたい。人に、信頼されたい。
 わたしのことを、考えてくれている人がいる。
 そのことが、そのことこそが、とても幸福なことだと思う。
 
 夜の。真っ暗の、ほんとうに真っ暗のそらに。星を見つけようという余裕が欲しい。
 せわしなく生きている。
 未来の自分のほうが良いと思える。今の自分で申し訳ないと思う。
 
「のぞみ」が一番速い。限りある生で、遠くまで行けるだろう。恒星の瞬きは、何光年先にも届く。その光は、きっと、ぼくにとっての希望。
 多くを失ったと思っていたけれど、そんなことはなかった。これから、たくさんを得るだろう。希望しかない。