どんなに高く飛ぶ鳥よりも想像力の羽根は高く飛ぶ

自分の"楽しみ"を書いて、自分だけが救われるんなら、それは言葉ではないんじゃないの。言葉は人のものでもあるんだから。

2021-01-01から1年間の記事一覧

夏と死

死んでしまった人が、上から見ているような気がしてる。あるいは草葉の陰だろうか。私たちは思い出した時にだけそう都合よく思うし、思い出さなければ、彼らはもういないのと同じなのだ。見ていると思っている自分の思いが、それが見ていると思わせている。…

マスクにまつわるお話

「マスクあるっけ? 今日、仕事なのに風邪をひいてしまった」 私は素っ気なく答える。──あるんじゃない? そこの引き出しとか。 「不織布のマスクがいいんだけど。シャレてなくていいからさ」 そういうと、彼はいろんな引き出しを開けたり締めたりし始めた。…

歩き出す

外の嵐は、今、私たちに巻き起こっているそれとは関係がないはずだった。家の外も内も荒れていた。私の内側も荒れていたし、彼の内側もそうだったろう。家の中の空気が重い。それは、私と彼が作っている空気であって、それ以外のことは何にも関係がないはず…

小さな冒険

歩いていると、やたらとこちらを見てくる少年がいた。まだ幼い。3、4歳といったところだろうか。その子は母親と一緒に歩いているのだが、母親とは手を繋がず、自分の意思で歩いている。母親の少し前を歩いている自分のところまで、時たま追い越してはこち…

つぎつぎと合う辻褄

君と初めて出会った時、自分が生まれきてきた意味が、わかった。君と出会うために生まれてきたんだ。君と暮らすために、君と生きるために、私は生まれてきたんだと思った。 やっと、だった。私は自分が生まれてきた意味がずっとわからなかった。仕事をしてい…

人のせいにすることの不幸

自分に起きた不幸の何もかもを、人のせいにするな。そのほとんどは自分のせいである。たとえそれが病気であったとしても、結局は自分の生き方が招いたもの。そんなことですら自分のせいなのだ。その不幸のほとんどは自分のせいであって、人のせいではない。 …

被害者意識を葬る

被害者意識さえなければやっていける。それをなんとかするのは第一に薬だし、そして自分の考え方なのだと思う。自分が被害者になることで得ていることを総ざらいしたら、被害者ぶらなくて済むかもしれない。 被害者意識はどんどん湧いてくる。それは自分に問…

人生、楽しんだもの勝ち、ということ

僕のことを、人間扱いしなかった人たちがいた。そのことに、私はショックを受けていた。その対象が自分であることに。人間扱いされないことに、自分に原因がなかったとは言えない。いろんなことがあったから。でも、人間扱いされない筋合いはない。 彼らを憎…

能動的な幸せの感受について

ぼくが報いを受けなくてはならないなんて、きいてない。なんでぼくはこんな目にあっているのか。なんで皆はいい思いをしているのに、ぼくはこんなんなのだ。自分から奪われたものを、思う。私は人を信じなくなった。 いや、深いところでは、信じているに違い…

今、この瞬間にするべきこと

今という時間。この瞬間をどう思っているか。このまさに今というこの瞬間をだ。何をしているべきなのか、自分に問うたことがあるだろうか。今この瞬間にしていることに疑問を持ったことがあるだろうか。 わたしが書いているのは紛うことなく駄文である。こん…

人の役に立つということ

人を役立ててばかりで、つまりは人に頼ってばかりで、人の役に立とうと思えていなかった。自分一人で生きているつもりになっているわけじゃないけれど、ほとんどそうなのかもしれない。関わっている人は少ない。誰かのために生きているという実感はないし、…